CoC現代シナリオ「無人駅」
<はじめに> このシナリオは現代日本を舞台にしたクトゥルフ神話 TRPG 用シナリオである。インセインなどへの転用は可とする。 必要があれば各種サプリメントを利用して良い。 テーマ曲として Sound Horizon のアルバムから「 sacrifice 」を BGM などとして使用してほしい。サンホラはいいぞ。 < KP 情報:事件の真相・背景> この事件は天野みゆきという女性の死がきっかけとなっている。 天野にはさゆりという妹がいたが、これが狂信者である村の男たちから儀式の供物として捧げられ、邪神ヨグ = ソトースの落とし子の子を孕み、それを苦にして自死した。 さゆりは無理矢理孕まされたにも関わらず村人たちからは忌み嫌われ、狂信者からは聖母と呼ばれあがめられた。 みゆきはこれら村人たちのさゆりへの行いに復讐するために村で殺戮を行い、最後には村に火をつけて村人たちと共に焼身して死んでいる。 村には当時使われていた無人駅だけが廃墟として残っているが、みゆきが事件を起こした日になると毎年1本だけ無人駅に電車が到着する。 探索者たちは不幸にもこの電車に乗り合わせてしまう。駅の名前はきさらぎ駅という。 村は落とし子の影響で 8 月 29 日から火災までをループしている。 クリアに向けた探索者たちの目的はさゆりとみゆきの事件の真相に迫ること、そして村が焼かれた日、無人駅が完全に消失するまでになんとかして村を脱出することである。 さゆりとみゆきの事件の大まかな流れは以下である。 XX 年8月29日 さゆりが邪神を孕まされる ← 探索者たちが無人駅に迷い込む 同年8月31日 さゆり自死 同年9月1日 みゆきが大量虐殺ののち村ごと焼身 ← 脱出期限 村ではさゆり事件を再演するような怪奇現象が発生し、9月1日日没頃、村があった一帯は山火事に見舞われる。しかし村の外からはそのような現象は確認できず、助けが来ることはない。脱出できなかった場合、後日廃村でなんの痕跡もないのに焼死体となった探索者たちが発見されることになる。 <はじめに> 残暑厳しい8月29日、探索者は急いでいた。それぞれ目的地があって電車に...