CoC現代シナリオ「ノック」
<はじめに>
このシナリオはCoC基本ルールブックに準拠したシナリオである。各種サプリを使用することで現代以外の時代舞台でも使用できるかもしれない。
<背景>
探索者はネットの書き込みで見かけた「返事がないとわかっている無人空間への問いかけは潜在的恐怖を呼び起こしやすい」という情報に興味を持っている。
例えば、一人暮らしの自宅に帰ってくる際、返事がないとわかっていながらチャイムを押したりノックをしたり、「今日いいことあった?」と無人の空間に呼びかけたりすることである。
これは一種の儀式になっていて、異空間からの侵入を招く働きがある。
このシナリオでは探索者たちの意識が互いの部屋へ飛び、ポルターガイストのような怪異を招く。怪異を止めるには、探索者の全員が一定期間以上(2サイクル分)この儀式を行わないでいる必要がある。
この事件の背景にヨグソトースのような空間系の邪神とその信者が関係しているかもしれない。
ポルターガイスト現象を放置すると、探索者の精神は消耗してしまう。
このシナリオは探索中心で、基本的に戦闘での解決は見込めないとプレイヤーに伝えておくと親切である。
<導入:全員共通>
あなたは最近某大型掲示板で見かけた以下のような書き込みに関心を寄せている。
「反応がないってわかってる行動をあえてするのってちょっと怖くて楽しいよね。例えば、一人暮らしでほかに誰もいない自分ちのドアをノックして返事を待ってみるとかさ。」
これに対しては幾つかのレスポンスが付いている。「ツマンネ」「根暗乙」というようなレスポンスが大半だが、中には
「わかる。無人の部屋で誰かに話しかけるように独り言言ったりすると、なんか見えないものから返事が返ってくるんじゃないかってすこしドキっとするよな」
というレスポンスもある。
季節は夏。そういう涼の求め方をするのもいいかもしれないと思ったあなたはその夜、帰宅時に自宅の玄関ドアをノックしてみた。
当然返事はない。だが、もし返答が返ってきたら……。そう思うと想像力は勝手に働いて背筋がすっと寒くなるのを感じた。なるほどこれは少し面白いかもしれない。
深夜、あなたは異音で目がさめる。
何かが玄関の戸を叩いている。こんな時間に?
トントン、トントン……。
不審に思いながら、恐怖を感じながらも、あなたは扉に手をかけた。
思い切って勢いよく、扉を開ける。
何もない。
<サイクル>
サイクルでは調査を中心に何か一つ行動を行うことができる。
具体的には、
・インターネット検索による調査
・近隣への聞き込み
・自宅に異変がないか捜索
(KPによって付け足しても良い)
があげられる。それぞれについては以下。
・インターネット調査
あなたは難なく掲示板サイトで先の書き込み記事と、関連記事を見つけることができる。
先の書き込みに新着のレスポンスはなく、関連記事には以下のようなスレッドがリンクされている。
「ネットで見かけた簡易肝試し怖すぎワロ……えない」
内容は、探索者が見かけた記事と同一の遊びを試みた人物が身の回りで起きた異変をまとめて報告しているものだ。
「1日目 とりあえず帰宅時に玄関チャイムを押してみた。なかなかスリリングでえぇな。その深夜、3時だっていうのに玄関チャイムが何度か鳴った。誰もいない」
「2日目 前日の初のポルターガイスト?に興奮した俺、今度は自分の電話番号に電話してみる。繋がらない。当然か」
「3日目 離れて暮らす弟から連絡。俺の番号から弟に深夜電話がかかってきたとのこと。身に覚えがない。弟も例の遊びをしていたらしく、それで夢でも見たんだと笑ってやった」
「4日目 試しに今日は何もしないことにする。深夜、どこか、数メートル以内くらいから声が聞こえる。『いるんだろ?そこにいるんだろ?』と何度も問いかけてくる。霊障キターーー!!!!」
「5日目 今日は電話がかかってきた。知らない番号だ。偶然だろうか。俺は何もしていない」
「6日目 いい加減参ってきた。昨日は玄関を誰かがノックし続けてた」
「7日目 ポルターガイストの奴に聞こえるのかはわからないが、もうやめろと叫んだ。俺はお遊びが過ぎた」
・近隣への聞き込み
探索者が住んでいる地域は比較的年齢層の若い地域で、近くの大学に通う学生が住んでいる。彼らが言うには、ちょっとした肝試しとして宅飲みの際には自分の携帯電話に発信したり、誰もいない部屋に向かって呼びかけたりするのがちょっとした流行りになっているという。
この流行は大学生たちだけではなく、どうやら近所の小学生にも影響しているらしい。街を歩いていると帰宅中らしい子供達が
「お前今日はひとりピンポンできるんだろうなー?」
などと気弱そうな子をからかっている。
以上から、少なくとも探索者の周囲ではこの「あそび」は広く行われているらしいことが判明する。
・自宅の捜索
目星などの探索技能に成功しても部屋の中に異常は見つからない。防犯カメラや録画機能付きインターホンなどの記録媒体には、該当時刻、探索者が扉を開けて出てくるまで、記録されている者はない。
サイクルの終了で1日経過したものとみなす。
<夜:サイクルが終了するごとに毎回ランダムに行う>
(パターンはKPによって新たに追加しても良い)
パターン1
ピンポーン
深夜の静まり返った自室に似合わない間抜けな音が響く。
ここでKPは以下の文章を読み上げる。
あなたはこんな感覚に囚われたことはありませんか。
一人きりの広い部屋で視線を感じた気がすることがありませんか。
自分の視界以外の物陰から何かに覗かれているような気がしたことはありませんか。
ふとしたもの音に、必要以上に怯えてしまいませんか。
まるで誰かがいるようで。
探索者は今まさにその感覚と戦っている。
深夜、こんな時間に訪ねてくる人などいるはずがないとわかっているから、薄い金属製の扉の先の存在に恐怖がつのる。SANC0/1
パターン2
「おい、誰かそこにいるんだろう」
深夜、明らかに室内で声がする。しかしあなたは一人暮らしだ。
「おい」
「わかってるんだぞ」
「何してる」
声は一方的に話しかけてくる。応答しても会話はできない。
気のせいだ、幻聴だ……。
そう言い聞かせても声は消えない。
この部屋には「何か」いる。
SANC1/1d2
パターン3
コンコンコン
寝室のドアがノックされた気がする。気のせいだろうか。
コンコンコン
また聞こえる。間違いない。
虫かネズミでもいるのだろうか。
コンコンコン
いや違う。
これは明らかに、人が扉を叩く音だ。
そんなまさか、誰もいるはずがない!
焦ってドアを開くが、そこにはただ暗闇があるだけだ。
SANC0/1
<終了条件>
全員が一人遊びをやめること。
ただしそのタイミングでエンド分岐が起きる。
初日にやめた場合
翌日から、何者かによるあなたへの深夜の訪問は終了する。
あなたは何もわからないままだ。
正気度回復なし
2日目〜
怪異は突然終りを告げる。
あなたに残されたのは情報だけ。
それをどう解釈して納得するかはあなた次第だ。
正気度回復1d2
KP判断(何サイクルかかってもやめなかった場合)
ピンポーン
玄関の呼び鈴が鳴る。
またか。
慎重に扉の覗き窓から外を確認したあなたは気づく。
扉の外にいるのは、あなた自身だ。
SANC 1d2/1d4
このシナリオはCoC基本ルールブックに準拠したシナリオである。各種サプリを使用することで現代以外の時代舞台でも使用できるかもしれない。
<背景>
探索者はネットの書き込みで見かけた「返事がないとわかっている無人空間への問いかけは潜在的恐怖を呼び起こしやすい」という情報に興味を持っている。
例えば、一人暮らしの自宅に帰ってくる際、返事がないとわかっていながらチャイムを押したりノックをしたり、「今日いいことあった?」と無人の空間に呼びかけたりすることである。
これは一種の儀式になっていて、異空間からの侵入を招く働きがある。
このシナリオでは探索者たちの意識が互いの部屋へ飛び、ポルターガイストのような怪異を招く。怪異を止めるには、探索者の全員が一定期間以上(2サイクル分)この儀式を行わないでいる必要がある。
この事件の背景にヨグソトースのような空間系の邪神とその信者が関係しているかもしれない。
ポルターガイスト現象を放置すると、探索者の精神は消耗してしまう。
このシナリオは探索中心で、基本的に戦闘での解決は見込めないとプレイヤーに伝えておくと親切である。
<導入:全員共通>
あなたは最近某大型掲示板で見かけた以下のような書き込みに関心を寄せている。
「反応がないってわかってる行動をあえてするのってちょっと怖くて楽しいよね。例えば、一人暮らしでほかに誰もいない自分ちのドアをノックして返事を待ってみるとかさ。」
これに対しては幾つかのレスポンスが付いている。「ツマンネ」「根暗乙」というようなレスポンスが大半だが、中には
「わかる。無人の部屋で誰かに話しかけるように独り言言ったりすると、なんか見えないものから返事が返ってくるんじゃないかってすこしドキっとするよな」
というレスポンスもある。
季節は夏。そういう涼の求め方をするのもいいかもしれないと思ったあなたはその夜、帰宅時に自宅の玄関ドアをノックしてみた。
当然返事はない。だが、もし返答が返ってきたら……。そう思うと想像力は勝手に働いて背筋がすっと寒くなるのを感じた。なるほどこれは少し面白いかもしれない。
深夜、あなたは異音で目がさめる。
何かが玄関の戸を叩いている。こんな時間に?
トントン、トントン……。
不審に思いながら、恐怖を感じながらも、あなたは扉に手をかけた。
思い切って勢いよく、扉を開ける。
何もない。
<サイクル>
サイクルでは調査を中心に何か一つ行動を行うことができる。
具体的には、
・インターネット検索による調査
・近隣への聞き込み
・自宅に異変がないか捜索
(KPによって付け足しても良い)
があげられる。それぞれについては以下。
・インターネット調査
あなたは難なく掲示板サイトで先の書き込み記事と、関連記事を見つけることができる。
先の書き込みに新着のレスポンスはなく、関連記事には以下のようなスレッドがリンクされている。
「ネットで見かけた簡易肝試し怖すぎワロ……えない」
内容は、探索者が見かけた記事と同一の遊びを試みた人物が身の回りで起きた異変をまとめて報告しているものだ。
「1日目 とりあえず帰宅時に玄関チャイムを押してみた。なかなかスリリングでえぇな。その深夜、3時だっていうのに玄関チャイムが何度か鳴った。誰もいない」
「2日目 前日の初のポルターガイスト?に興奮した俺、今度は自分の電話番号に電話してみる。繋がらない。当然か」
「3日目 離れて暮らす弟から連絡。俺の番号から弟に深夜電話がかかってきたとのこと。身に覚えがない。弟も例の遊びをしていたらしく、それで夢でも見たんだと笑ってやった」
「4日目 試しに今日は何もしないことにする。深夜、どこか、数メートル以内くらいから声が聞こえる。『いるんだろ?そこにいるんだろ?』と何度も問いかけてくる。霊障キターーー!!!!」
「5日目 今日は電話がかかってきた。知らない番号だ。偶然だろうか。俺は何もしていない」
「6日目 いい加減参ってきた。昨日は玄関を誰かがノックし続けてた」
「7日目 ポルターガイストの奴に聞こえるのかはわからないが、もうやめろと叫んだ。俺はお遊びが過ぎた」
・近隣への聞き込み
探索者が住んでいる地域は比較的年齢層の若い地域で、近くの大学に通う学生が住んでいる。彼らが言うには、ちょっとした肝試しとして宅飲みの際には自分の携帯電話に発信したり、誰もいない部屋に向かって呼びかけたりするのがちょっとした流行りになっているという。
この流行は大学生たちだけではなく、どうやら近所の小学生にも影響しているらしい。街を歩いていると帰宅中らしい子供達が
「お前今日はひとりピンポンできるんだろうなー?」
などと気弱そうな子をからかっている。
以上から、少なくとも探索者の周囲ではこの「あそび」は広く行われているらしいことが判明する。
・自宅の捜索
目星などの探索技能に成功しても部屋の中に異常は見つからない。防犯カメラや録画機能付きインターホンなどの記録媒体には、該当時刻、探索者が扉を開けて出てくるまで、記録されている者はない。
サイクルの終了で1日経過したものとみなす。
<夜:サイクルが終了するごとに毎回ランダムに行う>
(パターンはKPによって新たに追加しても良い)
パターン1
ピンポーン
深夜の静まり返った自室に似合わない間抜けな音が響く。
ここでKPは以下の文章を読み上げる。
あなたはこんな感覚に囚われたことはありませんか。
一人きりの広い部屋で視線を感じた気がすることがありませんか。
自分の視界以外の物陰から何かに覗かれているような気がしたことはありませんか。
ふとしたもの音に、必要以上に怯えてしまいませんか。
まるで誰かがいるようで。
探索者は今まさにその感覚と戦っている。
深夜、こんな時間に訪ねてくる人などいるはずがないとわかっているから、薄い金属製の扉の先の存在に恐怖がつのる。SANC0/1
パターン2
「おい、誰かそこにいるんだろう」
深夜、明らかに室内で声がする。しかしあなたは一人暮らしだ。
「おい」
「わかってるんだぞ」
「何してる」
声は一方的に話しかけてくる。応答しても会話はできない。
気のせいだ、幻聴だ……。
そう言い聞かせても声は消えない。
この部屋には「何か」いる。
SANC1/1d2
パターン3
コンコンコン
寝室のドアがノックされた気がする。気のせいだろうか。
コンコンコン
また聞こえる。間違いない。
虫かネズミでもいるのだろうか。
コンコンコン
いや違う。
これは明らかに、人が扉を叩く音だ。
そんなまさか、誰もいるはずがない!
焦ってドアを開くが、そこにはただ暗闇があるだけだ。
SANC0/1
<終了条件>
全員が一人遊びをやめること。
ただしそのタイミングでエンド分岐が起きる。
初日にやめた場合
翌日から、何者かによるあなたへの深夜の訪問は終了する。
あなたは何もわからないままだ。
正気度回復なし
2日目〜
怪異は突然終りを告げる。
あなたに残されたのは情報だけ。
それをどう解釈して納得するかはあなた次第だ。
正気度回復1d2
KP判断(何サイクルかかってもやめなかった場合)
ピンポーン
玄関の呼び鈴が鳴る。
またか。
慎重に扉の覗き窓から外を確認したあなたは気づく。
扉の外にいるのは、あなた自身だ。
SANC 1d2/1d4
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